1年後



「はーい、ご注文の鴨のテリーヌでーす」

明るく良く通る声が店内に響く。こじんまりとした店内は賑やかで、活気溢れている。常連客も初めての客にも評判はとても良い店だ。店員が二名しかいない為、接客に太陽のようなオレンジ色の髪を揺らしながら忙しく店内を走り回る姿があり、そんな所もどこか微笑ましいものがあった。店内の奥では、こちらは茶髪の男が華麗な手さばきで料理をしていた。気品やカリスマ性のようなものがあり、汗だくになりそうな労働にさえも平然と笑みを浮かべていた。

「えーと、赤ワインのご注文ですね?貴久さん、赤ワイン一本ご注文です!」
「では、“黒ワイン”をお出しして差し上げてください、清純」
「はい、分かりました」
「あ、それと…」
「はい?」
「今週末は店を休みにする予定なのでゆっくりと一緒に過ごしましょうね」
「…っ、何なんですかいきなり!!まだ仕事中なのに…」
「嬉しくて照れました?」
「照れてませんっ!」








end












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