俺等のクラスに、転校生っちゅうのが来ることになったらしい。
正直そんなに興味はあらへん。朝、岳人が騒いどったから適当に
聞き流してた。なんか今日は朝から眠くてしゃーない。いや、昨
日夜更かししとったとかそんなんやあらへんのになぁ。なんでや
ろ。ジローのがうつったかな?…困るな。てかない。あらへん。
そんな下らんことはええねん。俺は岳人がやたら話すのをたいし
て聞くこともなくぼーっと頬杖ついて窓の外を眺めとった。小鳥
がぎょうさん鳴いてて葉っぱの多い木から飛んでった。朝日が葉
っぱの隙間からきらきらしとる。眩しい。なんて言うんやろな、
新鮮な朝の空気?青春?てな感じの外(俺に青春とかマジ合わへ
んきもちわるい)の空気だった。一瞬、日の光が俺の眼鏡にきら
っと反射した。俺もしかしたら今あれなっとるかもな、えーと…
青学の…乾?あんな眼鏡みたいになっとりそう。嫌やーきらりん
眼鏡やん、嫌やわー。…俺おばちゃんくさい。そんな下らんこと
考えとったらいつのまにか俺の机の隣におった岳人はおらんて、
教室の前のドアから担任が入ってきた。その後ろには女子がおっ
た。ああ、あれか、転校生て。担任の隣に立ったその女子はえら
い大人しそうな子やった。真っ黒なセミロングヘアにぱっちりし
た目。媚びてくる女とは違う子で、俺は悪い印象は持たへんかっ
た。ちょっと恥ずかしそうにしとる。なんか…見たことあるよう
な顔しとるなー…そやけど黒板に書かれた名前を見たら知らへん
名前やった。人違いかいな…また眠気が襲ってきよった。ああ、
ほんま眠いわ。ふわー…「じゃあーの席はー、忍足の隣な。」
え、何?あの子の隣が俺?あ、ちゃうやん俺の隣があの子かいな
。静かに席に座るこの子と目が合った。うん、かわええやん。そ
したら挨拶してくれた。
「あの…です、よろしく」
ありがちラブコメっぽいなぁ、ほんま。さっき青春?なんて考え
とったのはあながち嘘やあらへんかもなぁ。…て俺が青春て!!
ちゃうで、別に俺が穢れてるとかそおいうこと露呈したいわけや
あらへんで。この子…えっと?テニス部来てくれへんかなー、
マネージャーとか。あーなんか今ファンクラブとかのみなさんの
視線が痛いのは気のせいやろか?いや俺に向けられてるんはない
と思うねんけどやろか?まあ別に隣になっただけやし大丈夫や
ろ。朝のHRもたいして話聞かへんまま終わっとった。そしたら
クラスがざわざわし始めて、皆席を立って喋り始めた。隣から大
人しい声が聞こえた。
「あ、えーと…おしたりくん?」
「そやけど、忍足侑士や、よろしゅうな」
「う、うん…あ、」
「?どないしたん?」
「その…わたし「さーん!」
なんか言おうとしとったにクラスの女子の誰かが遮るみたいに
声をだした。はおろおろ俺とそっちの女子のグループを交互に
見てどっちに行けばいいのか迷っとった。俺は少し微笑んで(自
分で言うとめっちゃきもいこと学んだわー)「行っとき、俺はい
つかで構へんよ?」と言うと「ご、ごめんね」と言ってそっちに
走っていった。何言うつもりやったんやろ?俺はそんなことぼー
っと考えながら一時間目の理科の用意をした。一時間目が始まっ
てからなんだか集中できひん。元からそないに真面目に受けてる
訳ちゃうけどなんか隣が気になる。ちょっとだけちらっと見ると
綺麗なの横顔が見えた。なんやろ、なんかドキドキする。俺こ
ないにうぶやったかなぁ。黒板に書かれとることを写す為に顔を
あげたの髪の毛が揺れてさらさらってなった。きらきらしとる
。綺麗やなー。結局俺はまともに授業を受けとらんかった。隣に
座っとるに訳の分からない言葉をかけとった。
「今日、テニス部見に来いへん?」
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ドキドキ☆してるゆ う し 君(うざいよ)