「なあ、侑士。の奴すげーよなぁ」
「ん?ああ、そやね」


のマネ決定の次の日、早速の朝練。は仕事の大筋を跡部に聞くとてきぱきと
それをこなしていった。跡部も驚いてるようやった。跡部自身も、今日はテニス
部に慣れることが目的ゆうてそないに詳しく仕事の注文つけたわけでもあらへん
のにきっちり細かいことまでやっとる。しかも全部正確や。皆も驚いとった。昨
日は「トロそう」とか言ってた日吉も感心しとったし鳳なんかめっちゃ絶賛しと
る。


「おーい、!ボールあるか?」


そう大声でを呼んだのは宍戸やった。ちょお待ち宍戸、自分めっちゃ亭主関白
ぽいで。てかめっちゃフレンドリーやな、誰や昨日「おいおい、そんな転校して
すぐの女なんかに出来んのかよ」とか言うとった奴は。何やねん、そないないか
にも青春してますー、みたいなオーラ出してんなや。



「あ、うんあるよーちょっと待ってね、宍戸君」
「おいオメーら朝練終わりだ!部室に集合しろ!」
「悪りー!終わっちまった!」
「分かったー」




「…以上だ、解散」

「鳳君、お疲れ様ー」
「あ、先輩。えっと、俺2年なんですから別に“鳳君”なんて呼ばなくてもい
いですよ」
「そう?えー、っじゃあ長太郎君で。私もなんて呼ばなくてもいいのにな」
「じゃあ先輩でいいですか?」
「うん!」


なんて、ホワホワーってなるような会話を鳳とがしとった。そしたら皆が集ま
って来て岳人が「なあなあ俺も岳人でいいぜ!!」とか跡部が「仕方ねえな特
別に俺様も景吾で構わねえぜ?」とか言い出して終いには宍戸まで「」とか言
い始まった。そんで遂にあだ名を決め始めよった。俺は一歩先にリードしとった
んやけどなあ。まあがめっちゃ楽しそうやから構わへんのやけど。が確認す
るように皆のあだ名を呼び始めた。


「えっと、侑士君、景吾君、亮君、がっくん、ジローちゃん、萩之介君、長太郎
君、祟弘君、…若君「日吉でいいです」


即効で訂正したのは日吉自身やった。なんや、嫌なんかも思ったら照れてるんか
。でも、最初に呼んでくれて嬉しかったで、。うわ、俺ちょっと少年ぽい。


「んー、じゃあね、ひよ君「日吉でいいです」
「…ひよりn「日吉がいいです」
「やっぱり若君がいいかな」
「仕方ないですね…ん?」
「どうしたの?」
「先輩、指怪我してるじゃないですか」
「これ?これさっきちょっと切っちゃって」
「駄目じゃないですか自分の管理がなってなきゃほら来てください手当てします
から大体自分の健康管理が出来なくてどうやってマネージャーやるんですか「あ
、がっくんも怪我してるよ絆創膏貼ろうか」「ん?ありがとな!」って聞いて
るんですか!?全く…」


あれ、日吉ってこんなキャラやったっけ…
せやけどなんていうか人に「大事にしてやりたい、気になって仕方が無い」って
思わせる力ゆうんはあいつとやっぱ似てるわ。ホンマ、あいつと…ん?あいつっ
て…名前…何で…何で出てこんのやろ…あんなに呼んどったのに…


「?どうした忍足」
「跡部。…何でもあらへんよ、ちょっと眠いだけや。誰かさんが毎回朝早うに朝
練入れるもんやから」
「おいどういうことだテメェ…」
「ちょっ、待ち景ちゃんてば!冗談やって!」
「景ちゃんじゃねえぇぇ!」





いつの間にか世界中の誰よりも大切だった君の名前が頭から削除(デリート)されていた