俺こと、千石清純のカノジョについて、紹介したいと思います。
えっと、そのカノジョ、ちゃんは残念な事に山吹中じゃなくて青春学園に通っているわけだけど、付き合い始めたきっかけっていうのが、俺が前に青春学園、略して青学(あ、皆知ってるよね?)に偵察にいってみたら、越前リョーマ君がなんか糸の付いてるボールで結構かわいい女の子と練習しててそのボールに当たっちゃった俺が保健室に運ばれちゃって、そんで目が覚めてさあ、帰ろっかなぁって時にちょっと内気っぽい子が体育館裏でありがちに女の子集団に苛められててかわいい女の子が苛められてるのを見過ごせるわけない俺が助けてあげたらもう平謝りされて、なんで謝るのかなあって思って「謝る必要はないよ」って言ったら今度は真っ赤になってありがとうございます、って何回も言うもんだからかわいくなっちゃってお茶に誘ったら「マネージャーの仕事があるので」って言われて断られたんだよなぁ。そんで名前とアドレスを教えてもらって一回諦めて帰った俺だけど、やっぱお茶行きたいなと思って誘おうと思ったらその前にお礼って言って家にカップと紅茶が送られてきて「今度これでお茶してください」って書いてあるかわいいカードが付いてた。俺、ちょっと電車男みたいな気分になって柄にもなく初々しくドキドキしちゃって、で、親とか姉ちゃんとかいないときに家に来たら、って誘ってみたら快くOKしてくれてその日は休みだったんだけど、綺麗におめかししてきてくれた。別に何処行くわけじゃなくで俺んちなんだよなぁって考えると、え、俺の為におめかししてくれちゃった系?とか考えちゃってめちゃくちゃ嬉しくなってホントカノジョいない暦=年齢の電車男みたいになっちゃった。ちゃんの事を色々質問したら一杯色んな事が分かった。例えばちゃんも同い年だったとか(だから敬語はやめてって言った)、青学のテニス部のマネージャーをやってるんだとか、元々内気なのと真面目なのを理由に帰宅部のちゃんが手塚クンの推薦でマネージャーになったからホラ、あの取り巻き集団(氷帝には負けるけど)に目つけられたとか、でもそんな事言って皆の全国の夢邪魔しちゃいけないから言わないで秘密にしておくんだとか聞いたら胸がきゅーってきてますますちゃんがかわいくなっちゃって思わず俺にしちゃ無計画に「付き合って」って言っちゃった。そしたらちゃんはほんっと真っ赤になっちゃって口をパクパクさせて固まっちゃった。それから蚊の鳴くような声で「はい」って言うから嬉しくてやっぱ俺ってラッキーって思ったけどこれだけは運のおかげにしたくないなって思って絶対ちゃんを護ってあげようとかヒーローみたいなことを心の中で誓った。
そういうわけで、次の日、えっと月曜日だったかな?その日に俺は放課後青学が部活をやってる時に青学の男子テニス部に乗り込んだ(悪者みたいだけどヒーローだから!)そんで手塚クンに無理矢理部活を中断させて皆を集めてもらった。そんで、ちゃんの肩を支えながら俺が事実を発表しようとしたらちゃんが焦って俺の制服の袖を引っ張って「いいよ、清純君。皆に迷惑かかっちゃう…」とか小声で言ってくるから「大丈夫だって」って小声で返したら不二君が「知り合いなの?」って聞いてきた。だから堂々と「うん、カノジョ」って言ってやったら皆めちゃくちゃ驚いて「が!?まさかあのが!?」っていう反応するからちょっとちゃんを馬鹿にされたみたいでむかついた。まあそれを気にしないようにしてちゃんが苛められてるって事を皆の前で言ってやった。だって部活って選手だけじゃなくてマネージャーもちゃんとしたコンディションにあって初めてちゃんと成り立つんじゃないの、なんていい事言ってみる。そしたら手塚クンと大石クンは初めて知った、みたいにビックリしてたけど他の人は詳しくなくても大まか知っていたらしくてあんまり驚いてなかった。それで何にもしなかったこいつらにちょっとキレちゃいそうになったけど、手塚クンが「然るべき対処をしよう」って言ってきたから、信用してみようと思って何回も「大丈夫?また週末に家に来てね?」って言って「何かあったらすぐにメールするんだぞ」ってちゃんに念を押して帰った。
さて、それから一ヶ月位して、青学にもっかい遊びに行ってみた。これでも結構有名な方だから、テニス部に関わりがある人とか、テニス部の試合をよくみにくるらしい人とかは俺の事知ってる。ぶっちゃけあれだよ、部長の南より有名だから(ごめんね南!)愛しのちゃんはどこかなーっと思って探し回る途中結構色んなかわいい子に会ったけど声はかけない(俺結構硬派になってきたんだよ)でも、何処にもいないからまさかね、と思いつつ体育館裏に行ったら、
「あんたさー、何この頃手塚君に庇われてんの?」
「まさか、手塚君と付き合ってるわけじゃないよねー」
「まっさかー!」
「本当手塚君の目を掻い潜ってあんた呼び出すの大変だったんだからね」
「ちょっと何か言えば?そういうオドオドしたところが前から嫌いなのよ」
「あの…手塚君と付き合ってなんかないよ…」
「じゃあ付き合ってないのにあんなに過保護されてんの!?たぶらかしてんじゃないの!?」
「うっぜー」
「一回痛い目合わせた方がいいって」
「さんせーい」
「ハーイ君達そこまでー!正義のヒーロー千石清純が来たからにはいくらかわい子ちゃんでも見逃せないなぁ」
「千石…千石ってあの山吹の」
「あ、あのね千石君?そんなんじゃないの。ちょっとさんに注意して「ハーイ言い訳も終わりーあんまりうるさいとちょっとキレちゃうぞ」
本当俺ちょっともうキレてるんだけどね、うんやっぱ相手も女の子だから手出したりは出来ないけど、ちょっとキレちゃうなぁやっぱ。俺のかわいいかわいいちゃんに手ぇ出すなっていうかもうホント同じ空気吸わせたくないし、寧ろ視界に入って欲しくないし、半径5m以内に入って欲しくないって感じなんだよなぁ。お姫様に触れていいのは王子様だけっていうかぶっちゃけヒーローだけなんだよね。ホント俺、やばい、キレそう。だってちゃん泣きそうじゃん。お前ら見えてんのっていうか同じ目に合わしてやろうかっていうか痛い目見た方がいいのはキミ達なんだよね。って考えてたら手塚クンが走ってきて「目を離してすまない」って謝ったからちょっと安心した。手塚クンはちゃんと動いてくれてるみたいだし。手塚クンが女の子達の方を向いて一喝した。そしたら女の子達は泣き目で走って逃げたからちょっといいザマ、なんて思った。ちゃんが「二人ともありがとう」って何回も言うからやっぱりかわいくなって抱きしめたら手塚クンがちょっと居づらそうに「落ち着いたらでいいから部活に来る事」ってチャンに言って走って戻ってくれた。良いとこあるんだ、手塚クン、ちょっと感謝。「千石君、来てくれて本当嬉しかった。」ってニコッてして言うもんだからまた柄にもなく照れちゃって「ヒーローはいつでもどこでも飛んでいくんだよ」って必死で返した、ちゃんといつもみたいに自然に笑えてるか分からないけど。
(いつでもどこでも君の声で飛んでいく)
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微妙に日吉のやつの千石バージョンぽい