「ねえねえこんなのを青学の乾から奪っ…、じゃなくてもらってきたんだけどこれどう?ちょっとユー確かめてみない?今なら安くするぜベイベー」
「あのさ幸村君、君ちょっとこの頃少しキャラ違うよねていうか奪ってきていいのかよその前にその怪しい青と黄色と紫の素敵にドッキングした液体は何?」
「これはね、命名しよう!“ちょっとこの頃穢れたこの俗世に飽き飽きしてないかい?そんな君にプラトニックな刺激をいかが?たちまち純愛青春に目覚められるゼ☆薬”さ」
「もの凄く長くて面倒くさい名前で復唱するのも面倒なんだけど“ちょっとこの頃穢れたこの俗世に飽き飽きしてないかい?そんな君にプラトニックな刺激をいかが?たちまち純愛青春に目覚められるゼ☆薬”って何なの?」
「つまりは“青春に目覚める薬”かな」
「それでいいじゃん最初からそう言えよ」
私がそれを幸村君に誰にでも試してもいいよとか言われたのでどうしようかなーとか思っていつもどSで懲り懲りしてる柳に飲ませてみようかななんて思ってたけどやっぱりそれだとアフターケアが大変っていうか単に後が怖いのでやっぱり止めて真田なら楽しいんじゃないんかとか思ったはいいけど真田は元から笑いすぎて死ぬほどプラトニックな奴だったって事を思い出してつまらないので仁王とか柳生に飲ませたらとか考えたら気持ち悪いだけなので没、ブン太とジャッカルは青春とか似合わないし現代社会の若者の恋しか似合わない赤也も同じ理由で没って事で本当どうしようとか迷ってたら幸村君がよーし、じゃあの彼氏の柳蓮二君(15)に飲ませてセカチューばりの青春を楽しんでもらおうじゃないかハッハッハとか高笑いをして言い始めるから幸村君の決定には誰もどうせ逆らえないので仕方なく柳に飲ませることになったけど私にそんな芸当出来ないから幸村君に任せたら相手があの立海大付属中学校男子テニス部参謀の柳蓮二(15)かと思うほどちょろかったのでやっぱり幸村君だなーと思っていた。
さて、その立海大付属中学校男子テニス部参謀の柳蓮二(15)君はどうなったかというと。
「」
「ん、何?」
「今日は特に部活がない。一緒に帰ろうか」
「うん!」
特にいつもと変わらないじゃないか。一緒に帰ろうと言ってくれて、私は地味にとても喜んでいる、それだけだった。柳はテニス部でとても忙しいのであまり一緒に帰ったりとかそういう普通のカップルみたいなことは中々出来ないけどテニス部が無い日にはこうしてちゃんと帰り誘ってくれたりするのでやっぱり柳はとても優しい人だと思う。
まあ、それはその後にいつだったか青春学園の手塚君が恐竜を絶滅させた位の常識破りに一転するのだけれど。
「、先に校門のところで待っていてくれ。すぐに行く」
「うん、分かった」
ここまでは至って普通の極普通の至極普通の中学生の会話だと思われよう。しかし良く柳蓮二という人物のキャラクターをこれからお忘れないで頂きたい。
「あ、柳」
「待ったか?」
「ううん全然」
「それなら良かった。さあ後ろに乗れ」
「あれ、柳って自転車通学だっけ」
「いや、この近くに夕日の綺麗な所があると聞いたのでな、と見ようと思って乗ってきた」
あれれ、夕日?夕日ってなんだよ夕日って。あれですか、2ケツしようぜ、ってか。ああそうですか。
私が大人しく乗ると柳は腰を座席から浮かして風に髪の毛を靡かせながら颯爽と自転車を漕ぎ始めた。もう正直やめて欲しい。帰ってきてくれ参謀。
「どうしたんだ、あまり嬉しそうな顔じゃないな」
「嬉しくないわけじゃないよ、ちょっと考え事をしてただけ」
「そうか。きっとこの風が悩み事も吹き飛ばしてくれるさ」
「ブフッ!」
「何なんだ吹きだしたりして」
「ご、ごめん。むせただけだから」
「何?大丈夫か」
何でむせただけなのに自転車を止めて私の方に向き直る必要があるんだ。むしろその青春に満ちた軽く開いた目でこっちを見ないで欲しい。柳が青春してると何か私が物凄く汚いものに感じる。柳に汚くされたのにね、ああ本当に何だかムカついてきたや、殴っていい?
「ここからでは夕日は見えないが、改めて言いたい事がある」
「何」
「俺は、お前のことを愛している。この所それを改めて実感させられた。お前とこれからも一緒にいたいし、お前があのバレンタインの日に可愛く拗ねた事や付き合う前のことだが甲斐甲斐しくタオルや差し入れをくれたことなど以下略は決して忘れはしない俺の大切な思い出としていつまでも俺の心の中で輝いている結晶なんだ」
本当これ、誰。
私は柳が気持ち悪く目をそっと閉じながら近づけてくる青春リップを待ち構えながら幸村君は怖いので軽く八つ当たりを込めて青春学園の乾君を個人的にレイプすることを決めた。
(正直オチてないよね)